この寺について
転法輪山(てんぽうりんざん)浄土寺は、広島県尾道市の東側にある、真言宗泉涌寺派(しんごんしゅう せんにゅうじは)の大本山です。
寺の伝えでは、推古天皇24年(616)に聖徳太子が開いたとされます。
鎌倉時代に再興され、そのころに建てられた本堂と多宝塔(たほうとう)は国宝です。
江戸時代に作られた庭園は、国の名勝に指定されています。
足利尊氏(あしかがたかうじ)ゆかりの寺としても知られ、尾道七佛(おのみちしちぶつ)めぐりと中国三十三観音霊場の札所(ふだしょ)です。
歴史・由来
この寺を理解する鍵は、尾道が昔から瀬戸内海を代表する港町だったことです。
中世の尾道は瀬戸内屈指の良港として栄え、浄土寺はこの地方の信仰の中心でした。
【創建の伝え】
寺の伝えでは、推古天皇24年(616)に聖徳太子が開いたとされます。
これは寺に伝わるお話(伝承)です。
【鎌倉時代の再興】
鎌倉時代の終わりごろ、西大寺(さいだいじ)の定証(じょうしょう)上人が寺を再興しました。
尾道の有力な信者たちの援助を受け、1303年から1306年にかけて堂塔が造られたと、寺の縁起(えんぎ)は伝えています。
その後、1325年に火災に遭いましたが、尾道の道蓮(どうれん)・道性(どうしょう)夫妻らの力で、金堂(こんどう)、山門、多宝塔、阿弥陀堂(あみだどう)などが相次いで建て直されました。
現在の国宝の本堂は嘉暦(かりゃく)2年(1327)の建立で、多宝塔も同じ1320年代に再建されたものです。
昭和28年(1953)、本堂と多宝塔は国宝に指定されました。
【足利尊氏と浄土寺】
建武3年(1336)、足利尊氏(あしかがたかうじ)は尾道に船を寄せ、観音に祈願したと、寺の縁起にあります。
のちに尊氏は、国ごとに塔を一つ建てる「一国一塔(いっこくいっとう)」の願いにもとづき、備後国(びんごのくに)の利生塔(りしょうとう)を浄土寺の境内に建てることにしました。
そして、塔を造るための費用をまかなう土地の権利(地頭職・じとうしき)をいくつも寄進したと伝えられています。
【江戸時代から今へ】
江戸時代には、京都の泉涌寺(せんにゅうじ)の流れをくむ泉涌寺派に属し、大本山となりました。
庭園は文化3年(1806)に、徳島の長谷川千柳(はせがわせんりゅう)が作ったと、寺の庭園案内に書かれています。
茶室の露滴庵(ろてきあん)は、平成11年(1999)に改修が終わり、はじめの姿に復元されました。
見どころ・特徴
【国宝の本堂】
嘉暦2年(1327)に建てられた本堂は、和様(わよう)を基本に、唐様(からよう)と天竺様(てんじくよう)を取り入れた「折衷様(せっちゅうよう)」の代表的な建物です。
瀬戸内沿岸で、建てられた年がはっきりしている同じ種類の建物としては、最も古いものの一つとされています(文化遺産オンラインの解説)。
本尊は十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ)で、木造の像は国の重要文化財です。
【国宝の多宝塔】
本堂とともに国宝に指定されている塔です。
広島県は「日本三名塔の一つ」と紹介しています。
【阿弥陀堂】
貞和(じょうわ)元年(1345)に再建された和様の建物で、国の重要文化財です。
【国の名勝の庭園と茶室】
浄土寺庭園は、築山泉水式(つきやませんすいしき)という形の庭です。
自然の山の斜面を築山として使い、石組みの中ほどから小さな滝を落とし、山のふもとに小さな池を設けています。
築山の上には、国の重要文化財の茶室、露滴庵(ろてきあん)があります。
作者と年代がはっきりしている江戸時代までの庭園は少なく、貴重だと寺の庭園案内は書いています。
【宝物館】
宝物館(有料)には、聖徳太子三尊像などが公開されています。
【尾道水道の眺め】
境内からは、尾道水道(おのみちすいどう)を望むことができます。
【巡礼の寺】
尾道七佛めぐりの七つの寺の一つで、浄土寺の祈願は「必勝祈願」です。
専用の色紙に七つの寺の御朱印を集めるめぐり方もあります。
中国三十三観音霊場では第9番の札所です。
【訪ねかた】
拝観には、庭園や方丈(ほうじょう)を見る「通常拝観」と、本堂や阿弥陀堂の内陣(ないじん)まで入る「特別拝観」があります。
お堂の中まで見たい方は特別拝観がおすすめです。時間と料金は参拝時間の欄にまとめています。
年中行事・お祭り
【修正会(しゅしょうえ)】例年1月1日から3日
新年の祈りの法要です。
【大般若法会(だいはんにゃほうえ)】例年1月9日
【初観音(はつかんのん)】例年1月の第3日曜日
【星祭節分会(ほしまつりせつぶんえ)】例年2月3日
【春観音まつり】例年4月の第3土曜日・日曜日
尾道観光協会の案内では、土曜日は13時から16時、日曜日は10時から11時に、真言宗の僧侶が本堂に集まって法要を営みます。
お稚児(ちご)さんの行列もあります。
【薪能奉納(たきぎのうほうのう)】例年5月12日
【四万八千日法要(しまんはっせんにちほうよう)】例年7月10日
【土砂加持法要(どしゃかじほうよう)】例年10月の第3土曜日
【三千仏名会(さんぜんぶつみょうえ)】例年12月の第3土曜日・日曜日
【毎月の行事】
毎月1日は聖天供(しょうてんぐ)、7日はお薬師さん、28日は不動護摩供(ふどうごまく)があります。
毎月第2日曜日は写経会、戌(いぬ)の日には安産祈願会があります。
開催日・開催有無・時間は変更される場合があります。お出かけ前に必ず公式サイトでご確認ください。
※ 開催日・開催有無は必ず公式サイトでご確認ください。
作品ゆかり
小津安二郎(おづやすじろう)監督の映画『東京物語』(1953)の一場面が、浄土寺の境内の一角で撮影されたと、映画の紹介サイトなどで紹介されています。
学び・特徴
本尊
十一面観世音菩薩
宗派・寺格
真言宗泉涌寺派の大本山。山号は転法輪山(てんぽうりんざん)。
国宝(本堂・多宝塔)。重要文化財(阿弥陀堂・山門・露滴庵・方丈ほか、木造十一面観世音菩薩)。国の名勝(浄土寺庭園)。
尾道七佛めぐり札所、中国三十三観音霊場第9番札所。
創建
寺の伝えでは、推古天皇24年(616)に聖徳太子が開いたとされる。鎌倉時代の1303年から1306年にかけて堂塔が造られ、再興された。
ご利益
縁結び健康・病気平癒
テーマ
庭園
基本情報
住所
広島県尾道市東久保町20-28
参拝時間
【通常拝観】9時から16時まで
庫裡(くり)、客殿、方丈、庭園、本堂脇陣(わきじん)を拝観できます。
大人300円、中学生以下150円です。
【特別拝観】9時から15時30分まで
上の場所に加えて、本堂内陣・阿弥陀堂内陣も拝観できます。一部の場所では案内の人がつきます。
大人800円、中学生以下400円です。
【ご祈祷】毎日9時から15時まで(本堂)
【納経(御朱印)】9時から17時まで
【宝物館】有料です。開館時間は公式サイトでご確認ください。
本堂への参拝は無料です。
拝観時間・料金は変更される場合があります。お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
⚠️ 情報が古い場合があります。最新の受付時間は公式サイト等でご確認ください。
アクセス
JR尾道駅から徒歩で約25分、バスで約10分、タクシーで約5分です。
車の場合は、尾道ICまたは福山ICから約30分です。
駐車場は、境内に乗用車用が約15台分あり、無料です。
大型バス用は、国道2号線沿いの浄土寺下交差点付近に2台分あり、無料です。バスでお越しの場合は、事前に寺へお問い合わせください。
記念メダル
スポットの近く(200m 以内)で位置情報を有効にしてチェックインすると獲得できます。
参拝記録
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